医学界からも
注目のEPA

EPAは血液・血管の健康維持だけでなく、体脂肪、内臓脂肪などの代謝に密接に関係していることが、多くの研究機関によって次々と明らかになっています。EPAは体質改善を促し、さまざまな健康効果をもたらします。

1EPAで心臓病予防が明らかに

EPAには中性脂肪を下げる、動脈硬化を防ぐ、血液を固まりにくくするといった効果がありますが、日本で行われたEPAの長期摂取試験で2005年に心臓病大国の米国で報告され注目された結果があります。

試験は、血液の総コレステロール値が250mg/dL 以上の高脂血症の人でコレステロール を下げる薬を飲んでいる約2万人を対象に行われました。

そして、その対象者の半分...続きを読むの約1万人にはEPAを毎日併用してもらい、EPAを併用しない群との心臓病の発生率の違いを5年間続けて追跡したのです。結果は、EPAを併用した人ではコレステロールを下げる薬だけを飲んでいた人に比べて心臓病の発生率が19%も低いというものでした。

ちなみに、この発表は第78回米国心臓協会学術集会の速報として発表されたものですが、幾千もある応募演題の中から十数題しか選ばれないというものの一つに入ったものです。 それだけ、注目度が高い結果であり、魚を食べることの大切さ、EPAをしっかり取ることの大切さが、あらためて確認された試験として価値あるものであったといえます。

*本文中では、血液や血管の問題が原因となる心臓病を「心臓病」としています。

2健康管理にEPA/AA比が注目!

EPAはAA(アラキドン酸)と、からだの中でシーソー関係にあります。一般にAAは魚を食べる機会が少ない人の体内でEPAに比べ多い状態になります。両者の機能は真逆の関係にあり、EPAが多い人はマイルドな体質、AAが多い人はその逆というイメージになります。

そのEPAとAAの血中のバランス指標がEPA/AA比と呼ばれ、循環器系の学会を中心に注目を集めています。 ...続きを読む

以下に、研究報告の2つの例をご紹介します。

九州大学が福岡県久山町の40歳以上の全住民約3,100人を対象とした疫学調査を2011年に発表しましたが、EPAとAAの血中濃度比率(EPA/AA比)により、EPAの比率が低いと心血管死亡率は約3倍も高くなることがわかりました。

図:血清EPA/AA比別にみた心血管疾患による死亡率 図:血清EPA/AA比別にみた心血管疾患による死亡率
調査・発表:九州大学大学院医学研究院病態機能内科学・環境医学 久山町研究室(2011)

2013(平成25)年には大阪大学医学部が、EPA/AA比でEPA の割合が低い人は内臓脂肪が付きやすく肥満が多いという報告をしました。

EPA/AA比は心血管疾患、内臓脂肪などの指標として注目され、健康診断でも検査できます。